『災害医療』 絶対的経験不足をおぎなうトレーニング環境確率のために。
胃がんの手術を100例経験した外科医は多数いるが、阪神・淡路大震災並みの大災害を100回経験することはあり得ない。すなわち災害医療は絶対的な経験不足の状態である。
災害訓練とは、この災害医療における絶対的経験不足を補うために、災害の疑似体験の一つとしてさまざまな教訓を引き出すという重要な意味がある。
さて、システムトラブルの現場を、生ぬるく生き残るために。。
災害医療トレーニングに学ぶ点は多々あるのでは、と思う最近の読書チョイス。
今回は文字通り「災害医療」という本。
阪神淡路大震災、911同時多発テロと、「災害」と定義されるに値する事故が多数あり、結果として、この分野のナレッジ向上につながっている。さながら飢饉が食文化を広げるといったところ。
本書は、救急医・救急看護師・救急救命士のための災害マニュアル本。
体系的な解説が、システム屋ととことん相性がいいのは間違いない、、その上、職種を越えた学びがあるのが素晴らしい。
ここでは、冒頭の災害トレーニングの意義について。その目的は、大きく2つあるという。
- 災害マニュアルの検証
- 個々のスキルの向上
「マニュアル通りにいかない」というのは、訓練とフィードバック不足の証左、、マニュアル通りに事が進むかの検証は必ず必要。そして、ルールの徹底や個別スキル向上等のための訓練と。
いずれかを目的とするかは、常に明確にし、訓練終了後には必ず評価を行う必要がある。
それにしても、この分野の体系化の精度に本当に驚いている、、冒頭の経験不足が、机上の空論といわれがちな分野だけど、経験を積んで使いこなせれば、職種を問わず、相当おもしろい「武器」になると思う。