流転工房

シンギュラリティをこの目に

【PM】『危機対応社会のインテリジェンス戦略』 社会全体でリスクを負担し合うために。 #gigofront

「私は自分がやるべきことを三つにまとめた。

まず市民とのパイプを確保し、市民が落ち着いて、整然と安全に避難できるよう最善を尽くすこと。

次に負傷者を受け入れること。(中略)

そして、もう一つ頭にあったのは『次に何が起こるのか?』を見極めることだ」


生業のシステム運用業務に関連して、危機対応の事例分析本を読んでみる。

本書では、JR西日本尼崎脱線事故阪神淡路大震災地下鉄サリン事件911、ハリケーン・カトリーナの発生時に、国・組織・機関がいかに連携をとったか(怠ったか)がまとめられている。


やはりどの現場でも、突出したリーダーシップが発揮されたり、組織間連携が機能した場合は、被害が少ないようだ。。

冒頭は、ニューヨーク市長ルディ・ジュリアーニ911同時多発テロの初動に際しての心構えである。また、地下鉄サリン事件では、聖路加国際病院院長が、外来診療をすべて停止して被害者治療に特化するという意思決定も行ったそうな。


逆に責任者不在の現場の凄惨さは正視に耐えない、、ただこうした属人性の問題ではない。

様々な制度設計や組織機関樹立の必要性以上に、災害シナリオを想定し、それに向けて定期的に訓練するという地道な「仕組み」こそが必要なのだろう。


最近では、ウィキリークスへの米国外交電文の流出が、組織間の容易すぎる情報連携にあったという新しいイレギュラーが生まれていて、一概に、円滑な連携の獲得がゴールとはならなくなってはいるが、、これはセキュリティの課題かな。