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シンギュラリティをこの目に

【PM】危機対応システム、、米国ICSの「五人組」。 #gigofront




危機対応では、関係者の能力や資質が大きく場を支配するものだけど、それを取り巻く制度は押さえておきたい。
能力や資質は有限かつ暗黙知のものであり、それを永く支えるには、明文化された土台が必要だからだ。


本書では、米国ICS(インシデントコマンドシステム)という、911で強化された危機管理の考え方が紹介されている。

まず組織であるが、ICSは以下の五つの基本コンポーネントで構成されている。

?指揮・調整(コマンド)、?事案処理(オペレーション)、?情報・作戦(プランニング)、?資源管理(ロジスティクス)、?庶務・財務(ファイナンス)である。

?…スタッフの補佐を受けて意思決定し、現場対応に当たる実行部隊の指揮調整を行う
?…指揮調整の命令に基づいて、現場対応を行う
???…指揮調整を補佐してスタッフ業務を行う


これらの各コンポーネントについては、次回紹介として、基本理念といえる彼らの考え方に焦点を当てたい。

まず、責任範囲が明確化されているという点が挙げられる。

ICSでは、個人で扱う責任の数、受け持つ権限の及ぶ人数を制限している。
最適と考えられている数は「五」である。

どのような事態にあっても、自分が働く関係を保つのは五人までという原則を維持することにより、意志の伝達や情報の交換に支障が出ないようにし、個人の能力の限界を越えるような事態を防ぎ、物事の責任を明確にできると考えられている。


災害やテロへの対応という、いつ起きるかわからない仕事に、トップクラスのエリートが常在しているとは考えにくい。。
こうした担当者が、凡であれ、非凡であれ、責任の有限化は現場の破綻、開き直りを防ぐもっともな考え方。何をどこまで? と聞くと、全部と答えられることも多い中、珍しくもマジメな理念がある。。


五でもって管理する発想は、古代から現代において、平時から危機まで有効なシステムなのだろう。