流転工房

シンギュラリティをこの目に

『自己破産の現場』 「破産」により失われるもの。




著者は債権管理・回収業10年の経験があった人。

現実編、破滅編、地獄編、天国篇、司法の現場は、復活への道、、と現場のリアルな観点がつづられていく。


自己破産をすると士業資格は一旦剥奪される!



「仕事に夢中になっていて、社会の動静を把握できると、思いますか」

C氏は何を言われているのか良くわからなかった。

「自分の手元ばかりを見詰めていると、墓穴を掘っている足元に気がつかないということですよ……」


その数ヵ月後、この発言をした司法書士のH氏破産したのだ。

そして、司法書士だから一から出直すにしても資格があるだけマシ、、とならず、面積が決まるまで一旦剥奪となり、免責後も営業許可が下りるとは限らないとか。


こうした自己破産のデメリットの中に、「自己破産にも費用がかかる」というものがある。個人が管財人なしで自己破産すると1万5千〜5万くらい。管財人がつくと負債にもよるが50万〜で別途、弁護士費用等、とにかく苦しい。



それにしても取り立て側のリアルもまたむごたらしい。。



 取り立てという仕事も、どんなに嫌だと思っていても、年数を重ねる内にいつの間にか嫌悪感すら麻痺していたように思う。

 欲得などないのだ。回収する数字がどんなに良くても、いい評価が得られるというものではない。もともと貸した金なのだから、回収してあたりまえだと会社は思っている。


 だが、回収ができないと直属の上司だけでなく、本社からも突き詰められるという、それが債権管理を担当する立場にいる人間の、逃げ場のない牢獄だった。


貸金業には金がうなるイメージがあるけど、実際、利息で喰っているのだから、どれだけの債務者が世の中にいるのだろうか、、そして自己破産寸前の数はいかほどか。。


総量規制、利息制限等、貸金業の締め付けは進む一方だけど、ここ数十年の負債はそう簡単には消え去らないにちがいない。。