流転工房

シンギュラリティをこの目に

『中国巨大ECサイト タオバオの正体』 アリペイというオンライン決済システム等、「信用」問題へ取り組んだ中国企業。


Yahoo!チャイナモール(タオバオYahoo!の提携)が今年5月。

日本語化や送料、配送時間等の各種取り組みが進み、タオバオマーケットへの接続が可能になった。。本書はそのタオバオの歴史から成長の背景まで。

で、誰もが思う中国市場での信用問題の対処。

タオバオ創始者がはじめにぶつかったのは、現金取引が主体の中国における信用決済の欠如という問題。どうやら2003年頃であっても、信用前提のまともな取引ができなかったらしい、、それに対したアリペイシステムの構築。


  1. ステップ1:ユーザーは『タオバオ』ショップで商品を注文し、アリペイに商品の代金を入金する。
  2. ステップ2:アリペイからショップへ代金の振込み完了通知が行われ、それを受けたショップは商品をユーザーに発送する。
  3. ステップ3:商品を受け取ったユーザーが商品を確認し、問題がなければアリペイへ支払い承認を行う。
  4. ステップ4:アリペイからショップへ代金が送金される。


この仕組みをオンライン決済システムとして構築し、管理会社アリペイが誕生、、仕組みは既存参考だけど、その普及の労力やいかほどか。。


また、意外に思えたニセモノ排斥運動。

2009年から10年にかけて、一斉調査を実施し、違法販売の約2万店舗を信用問題から閉鎖するというブランドイメージ向上策。

当然ながらマガイモノの多さは、ユーザーは決して是としていないということ。

こうした取り組みを行う企業が、EC分野で頭がひとつもふたつも抜きん出たことは、今さらながら驚かされた、、中国事情にここまで疎かったとは。。


その他、タオバオでの成功モデルとして、ユニクロレノボ、Kappaなどが紹介される。実店舗のない地域の需要取り込みや、プロモーション連携、配送手段の提携等、勢いある試みが現在進行形で進んでいるらしい。また、個人ショップの成功例まで。。


これでは「タオバオ経由」の安心感はふくらむ一方だろう。。

数億近い富裕層や広大な国土全域に渡る顧客予備軍、、アメリカeBayのような巨人になっていくのだろうか。