流転工房

シンギュラリティをこの目に

7割は課長にさえなれません(城繁幸)読了、、若者はなぜ3年で辞めるのか?の第三部。


いろいろな懸念がリアルに具現化している昨今。

分かりきっていたという国内の生産年齢人口の減少も統計に明確に現れるようになっている、、そんな時代の日本型雇用こと「終身雇用」。

著者が一言でいう日本型雇用とは、「昨年より多く稼いだ利益をみんなで分ける」仕組みとのこと。
これは毎年収穫がふえているあいだは維持可能だが、そうでなくなると低い人はずっと低いままだという。。

確かに終身雇用かつパイの増えない人件費だと、若手は絶望的だし、恩恵を受けているといわれる4、50代もキャリアコースから落ちればかなりキツイ人生になる。
まして定年間際の給与配分の見直し(激減)もなされつつあるわけだし。


著者の提言は、現状維持ではなく流動化、人件費予算全額の再配分となり、職務給システムへの移行。
それがどんな未来かは本書エピローグに書かれているけど、新卒至上主義、組織の保守化、硬直化の今より、寄り道しても再帰できる流動化社会の方が面白そうではある。


それにしても景気がよくなるとこの種の議論はまた忘れられるんだろうなぁ。
うまく行ってしまうとあえて変える必要ないし。問題は再度景気がよくなっても、その恩恵は終身雇用の維持に使われてしまうこと、そして国内景気が回復を牽引することはまずなさそうだということ(日経平均も国外事情に振り回されてるし)。


かくいう自分も終身雇用体制側の会社員なので、即時に痛みを受けている側ではなく、、ただ下記のいう中毒にはまりつつもあがく日々。とはいえ問題の本質はパイが縮小していることなのだとしたら、膨らます努力は忘れられない。



http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51693139.html

The three most harmful addictions are heroin, carbohydrates, and a monthly salary. Nassim N Taleb

(もっとも有害なみっつの中毒はヘロイン、炭水化物、そして、毎月の給料である)