流転工房

シンギュラリティをこの目に

社員をサーフィンに行かせよう(イヴォン・シュイナード)読了、、創業者武勇伝で社員が何をしているかわからないのが残念。


パタゴニア創業者武勇伝本。「かの人」を知りたい場合は良本。

地球を守るという企業理念と、もう手遅れだけど少しでも緩やかにと語る前書きが物寂しい。。

ちなみにデザインにあたって参考にしている考え方と、勝負どころの下調べ(ホームワーク)重視には共感できるし勉強になる。。


「飛行機のみならず、人間が作り出したあらゆる物には、ある原理が存在することを考えたことがあるだろうか?
物を作る上での人間の生産活動、計算や予測、図面や蒼写真を制作するために費やした夜などはすべて、唯一にして究極の原理『シンプリシティ(単純性)』を追求した物ができあがるということで完結するということを。

そこに達するには、まるで自然の法則が存在しているかのようだ。
つまり、家具、船の竜骨、飛行機の胴体などの曲線を人間の胸や肩の曲線が持つ根源的な純粋さに少しでも近づけようとするために、職人たちは何世代にもわたって試行錯誤を重ねるべきである。
何においてであれ『完全』とは、すべてを脱ぎ去り、ありのままの姿に戻ったとき、つまり、加えるべきものがなくなったときにではなく、取り去るものがなくなったときに達成されるのである。(サン=テグジュペリ)」

・・・事前の調査研究、とりわけテストを行えば、リスクを最小限にとどめることができる。

テストはパタゴニアの工業デザイン過程において不可欠な要素であり、あらゆる段階で行うべきものだ。

その内容は、競争相手の製品をテストしたり、とりあえず「やっつけの」テストを行って新しいアイデアをこれ以上追う価値があるのかどうか見極めたり、生地テストを行ったり。

また、新製品と「生活をともに」してどの程度売れそうかを判断したり、製品見本の機能性や耐久性などを試験したり、テストマーケティングを行って製品が売れるかどうかを確かめたりと、多岐に渡る。