流転工房

シンギュラリティをこの目に

『マルドゥック・スクランブル』、、有用性の証明と価値の創造。

  


社会とは、価値を創り出し、価値を巡って機能する、人間独自のシステムだ。(中略)

「価値が虚構なのは当然だ。価値という名の物体が、どこかに存在しているとでも?」
「命に、価値があるのか――?」
「それは、真理を逆転させた、愚かな問いだ。価値は、あるのではない。観念であり、創り出すものだ。命の価値を創り出す努力を怠れば、人間は動物に戻る・・・」


読まねばと思いつつ、積ん読してしまったマルドゥック・スクランブル3巻を読了。

渋い、、硬派な展開がたまらない、、「命の価値を作り出す・・」のくだりはかなり好き。

価値を創りだし、共有していくことは、まさにシステムだなぁ。。




そして、ヒロインポジションのバロットの苦悩、、こちらもドクターたちとの出会いで変わっていく過程は、辛いながらも見所。

ドクターとウフコックが男前すぎて、バロットが影響を受けるのも無理もない。。


でも一番効いたのは、ドクターたちのある立場から、自分の「有用性」を証明していこうというスタンス、、へうげもの利休に言わせると、この良さは「渋い」と言うんじゃないか。。


泣きながら考えた。
前進することについて。ウフコックもドクターも前を見ていた。
前進し、漠然とした価値や目標に向かって、具体的な成果を上げようとしているのだ。
だが、シェルやボイルドは違った。彼らはきっと、振り返ってしまったのしまったのだと思った。

自分を振り返り、もうとっくに死んだはずのんだはずの過去と、目と目を合わせてしまったのだ。