流転工房

シンギュラリティをこの目に

【PM】『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』 ITのコモディティ化による役割の変化。。 #gigofront


始まりは、2003年5月号のハーバード・ビジネス・レビュー誌。

その衝撃は本書の刊行につながり、マーケティングも刺激的なものが多かった。



「危険な過ちを犯している」(『フォーチュン』誌)
「でたらめだ!」(マイクロソフトCEOスティーブ・バルマー
「完全に間違っている」(ヒューレット・パッカードCEOカーリー・フィオリーナ


蒸気機関、鉄道、電信・電話、電力供給網、そして高速鉄道網。

情報技術とは、こうした社会に広く普及し、産業のあり方まで変えてきた技術の最新のものである。


そして先駆の技術同様、情報技術も、社会基盤、インフラとしての役割に変化し、「IT採用による優位性」は低下していく、、というのが著者のメッセージ。日本語版の釣りタイトルの割にはおとなしめの感じ。



インフラ技術が誰にでも簡単に安く手に入るようになるにつれて、ある会社をその他大勢から際立たせる能力、すなわち戦略優位性を生む力が否応なしに低下するということである。

確かにインフラ技術は、目先の利く企業に対して、ライバルを抜き去るチャンスを与える。しかしそれはつかの間のチャンスでしかないのである。


コモディティ化した技術をどう扱っていけばいいのだろう、、との疑問には、「支出を抑える」「先頭に立たずに、後からついて行く「」核心はリスクが小さい時に行う」「チャンスより脆弱性に注目する」というガイドラインを提示する。例えば。



賢いユーザーは、最先端技術に飛びつこうとはしなかった。

その代わり、技術の標準とベストプラクティスが固まって価格が下がるまで、購入を控えるようになった。

つまり、請求なライバルに高い実験コストを負わせておいて、自分は跡から少ない出費で多くの利益を得ることで、ライバルを抜き去るのだ。


これからのIT投資活用は、採用しなければ死ぬという誇大広告的なものでなく、必要なものを取捨選択する、落ち着いたものになっていくのだろう、、確かにこの論文が2003年に出されたのは先見の目がありすぎる。。



「情報技術は『金食い虫』であり続けるだろう」
どんなコモディティについても当てはまることだが、必要な投資や行動とそうでないものを峻別することが重要である。

つまり、不必要なものや、あってもなくてもよいもの、逆効果になるものを見抜かなければならないのだ。

企業は、新しくITに投資する前に、「過去の投資に見合う成果を確実に回収する」必要があるのだ。