流転工房

シンギュラリティをこの目に

STASM

STASM・・・という頭文字を並べた言葉がある。

 S … Source

 T … Time

 A … Audience

 S … Subject

 M … Mission

その流布された情報の、ソースは何処か・なぜこの時期か・対象としている読み手は、主題は、目的は、それぞれ何かという分析手法のひとつとのこと。

この用語を書籍で紹介している筆者は、物理的戦争に相対する心理的戦争について分析した人で、いわば戦時中の対戦国民衆の心を折る手法を研究していたそうだ。

例えば世界大戦中に航空機からばらまかれたビラや流言・風評とかその類。

これら主に宣伝戦の情報をSTASM視点で意図(なぜこの時期か、というところがプロフェッショナル感がある)を読み取ろうとするわけ。


システム構築にあたり、正確な情報源は必須だし、情報の賞味期限は短いし、専門用語を使う相手は選ぶし、達成目標の明確化等々、資料作成時には参考になるチェックポイントだと思う。

書き手はもちろん、レビュアとしても重要な視点といえます。まったく畑違いの分野ながら、手法には普遍性があるといえるかも。


ちなみに原書と筆者のご紹介を。

 Psychological Warfare. by Paul M. A. Linebarger


そう、あの早川文庫「人類補完機構」の作者、コードウェイナー・スミス氏の真名?での著作。


でなきゃこの手の本がアンテナに引っかかることはないだろうなぁ。

邦訳は、みすず書房「心理戦争」で、やはりというか絶版。ちなみにSTASMは一章の一項にすぎない。