流転工房

シンギュラリティをこの目に

『学歴の耐えられない軽さ』 大学生増加と、景況サイクルと、これからの大学像と。




エンゼルバンクの海老沢康生のモデルが著者。2009年刊行。


少子化のはじまり(1995年〜2005年)は第二次ベビーブーマーの卒業後のため、大学生は減少していく流れが自然であった。。

が、大学増、学生増という大学ビジネス熱はおさまらず、意図的な進学率アップ(AO入試、推薦、帰国子女枠、受験科目絞り込み等々)が繰り返されたという。


結果、社会・企業の受け入れ枠を越える学生が生み出された、、そして高学歴ワーキングプアに代表される大学院ビジネスにもつながっていく。。

『高学歴ワーキングプア』 学業成就と、「先生」方の食い扶持確保と。 - 流転駆動


こうした流れがどん詰まりなのが今の状態で、2010年には一挙5校が閉校予定というから、まさに大学ビジネスは行き詰まっている段階。

著者は、「社会人養成型カリキュラム」と「学問追求型カリキュラム」を使い分けていくべきだとしている、、アカデミズムの場も栄枯盛衰、存続のための取捨選択を付きつけられている。。


そうした学生たちが望む人気ランキング企業も数十年後は没落する、ただの流行企業であり、直近の市場に評価された企業がランキングすることはほとんどないようだ。


それにしても、人口というのはエネルギーそのものなのだなぁ、、勢いがあるときは拡大する一方で、流れが止まるときはあっさりと行き詰まるのか。。

このまま縮小していくか、カンフル剤(移民政策とか)による盛り返しがあるのか。