流転工房

シンギュラリティをこの目に

医薬品クライシス(佐藤健太郎)読了、、ブロックバスターの金の流れはケタ違い。






ひとつで売上を年間1000億円上げる薬をブロックバスターと呼ぶ。

ファイザーに買収された高脂血症治療薬「リピトール」が最も有名、、って知らなかったので、一般大衆薬とは別世界で金がうなっているらしい。(ブラックジャックによろしくにも一粒数十万のストーリーがあったような。。)


ここ数十年のアメリカの新薬開発攻勢で確立されてきた分野らしいけど、今後は新薬承認や治しやすい病気が減って(残っているのは、アルツハイマー病、ガン、薄毛あたりか、、)きていて、その上、ブロックバスターたらしめていた特許期限が2010年に続々切れるらしい。

その土壌でのコスト削減圧力は医者の人件費や設備費でなく、薬費に向かっているよう。受難の時代はどこにでもあるものか。



薬というのは人体を構成するタンパク質を病の作用とは逆方向に作用させる病のようなもの、と。末期梅毒患者をマラリアに感染させ、その熱で解毒を試みた療法が前世紀にはあったようで、不思議な世界だと思う。


それと、登場する教授の「ガンを治してしまって良いのか…」というつぶやきはもはや個を超越した種の視点。


恐ろしいまでの市場規模(78兆円)を作ってきた製薬の歴史はまさに転換点にあるそうな。さらなる新薬か穏やかな衰退か。。進化の行き詰まりをみるようだ。。