流転工房

シンギュラリティをこの目に

水滸伝(北方謙三)全巻読了、、水のほとりの108人+αが国を興す!王進派だけど燃える!


昨年末から読み始めた北方水滸伝

反逆、復讐モノがもともと好きとはいえ、文句なしで面白かった、、横山水滸伝と違い、108人(数えてないけど)のマイナーキャラが活躍して満足。

登場すると嬉しくなるのが体術の燕清や水軍の李俊とか。19巻という長さがキャラクターを一通り登場させるのに必要な尺度か。


何が面白いかと言うとやはり世界設定。

アメリカに対するキューバの革命をベースに、宋と梁山泊を位置づけているところ。

封じようとする側と壊して作ろうとする側のそれぞれがまさに「守りたいものがあるんだ!」状態。

ただどちらにも面白ければいいとか暴れられればいいとか適当な連中が混ざっているからリアルでいい。



キャラ立ちも見事で、一押しは王進先生。

引退しつつも無敵の風格は、まさにジェダイ。まさにオビ=ワン・ケノービ。


けど本人はのんびり畑を耕していて、王進先生の隠遁生活に洗われて巣立っていく、武松や楊令が羨ましい。。先生の生き様に影響を受けて、田舎暮らし本を読みあさったのはつい最近。



このあたりで林冲が完全に呂布化(あるいは死にたがりの土方歳三化)。最強ながらもろいところが、キャラのかぶりがちな史進と異なるところ。出会う度に公孫勝と無駄にケンカする場面は楽しい。


それから、呼延灼、秦明、関勝とかの元宋の職業軍人より、劉唐や楊春とかの副隊長や裏道レベルの役どころがとにかく光って美味しい。いや、美味しく頂きました。



そして、戦争は、最終局面に入り、宋と梁山泊の総力戦。

横山水滸伝と同様、惜しみなく星が散っていく。。そしてバトンは次世代へ。


いや、伏線回収してないし、どうなるかと思っていたら、楊令伝に続いていた。。楽しみはまだ終わらない!