流転工房

シンギュラリティをこの目に

なぜ一位でなければいけないか、の前に知りたい「なぜ」があった


内閣府 行政刷新会議ホームページ移動のお知らせ

政府のIT調達基準も将来へ波紋をなげそうなので、次世代スパコンの議事録を読んでみた。

意外にまともな議論をしている、、世界一云々の言葉にいろいろあるようだけど、その前後の議事はもっともだと思う。



これまでの開発費の有効利用を考えての見直し。当初目的を満足しているのか、なぜNECが撤退したのか等の理由等を調査。立ち止まって見直しをする。世界一を目指す必要はない。


スパコンの国家戦略を再構築すべきである。従来の検討者以外の新しい研究者を入れて、新しい議論を公開しながら行うべき。現状はスパコンの巨艦巨砲主義に陥っていないか。競争のルールが変わってきている可能性はないか。世界の中での位置づけを検討すべき。おそらく日本の先端技術についての国の形を変えるかどうかを検討することになるだろう。


以下では、単純に「スピード」と「計算能力」が同じ土俵かはともかく、クルマがスピードの時代ではなくなってるのは確かに。

騒音、安全、燃費、ユーザビリティ、、等々、スピード以上に重視される項目がある。


トヨタもF1から撤退した。苦渋かつ前向きの判断を。研究者が夢を追うだけではなく、一般人が「なるほど、巨額の税金投入の意義がある」と得心できる説明ができなければOKできない。日米共同なども模索すべき。


ただ、この手の「あるべき姿」追求は、ゴールが複数の上、意思決定の過程がおかしくなりがちなので、「現状成果を残す」為の現実解として地球シミュレータ型のスパコン運用を維持し続けるというのはやむをえない気もする。

やはり予算縮小の決め手は競合の存在、、3800万のGPUスパコンでも地球シミュレータと同じことができるということを証明してほしい。


あとは予算ジャブジャブの軍事や政府プロジェクトの成果があることで、数年後の民間転用で利益があるという発想の根強さか。

確かに月計画や衛星、ロケット(ミサイル)、核や人体実験とか、世界大戦の遺産と利益は恐ろしい限り、、とはいえ、平和の時代で「この10年のうちに人類を第二宇宙速度で太陽系外へ進出させる」などという大統領が当選する気もしない。。飛躍には危機が必要といういつもの話。